Nakajima Miyuki

Tabibito No Uta

Nakajima Miyuki


おとこにはおとこのふるさとがあるという
おんなにはおんなのふるさとがあるという
なにももたないのはさすらうものばかり
どこへかえるのかもわからないものばかり

あいよつたわれ ひとりさすらうたびびとにも
あいよつたわれ ここへかえれと

あのひびはきえてもまだゆめはきえない
きみようたってくれ ぼくにうたってくれ
わすれないわすれないものもここにあるよと

あのあいはきえてもまだゆめはきえない
きみようたってくれ ぼくにうたってくれ
わすれないわすれないものもここにあるよと

にしにはにしだけのただしさがあるという
ひがしにはひがしのただしさがあるという
なにもしらないのはさすらうものばかり
ひごとよるごとかわるかざむきにまどうだけ

かぜにおわれてきえかけるうたをぼくはきく
かぜをくぐってぼくはこたえる

あのひびはきえてもまだゆめはきえない
きみようたってくれ ぼくにうたってくれ
わすれないわすれないものもここにあるよと

あのあいはきえてもまだゆめはきえない
きみようたってくれ ぼくにうたってくれ
わすれないわすれないものもここにあるよと